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プレイヤーとしても、評論家としても。立川談志・一流の「理詰め」

大事なことはすべて 立川談志に教わった第7回

■一方的対応こそが前座修業

 

 師匠談志の激しい「無茶ぶり」の数々を書く前にまず言っておきたいのは、師匠談志が、たとえ惚れ込んで入門してきた弟子たちの弱みにつけ込むような行為とはいえ、修業という名で「無茶ぶり」をさせるに足る凄い存在だったということです。

 師匠の圧倒的な存在感があればこそ、前座に対する言動も説得力を持ちます。弟子も「きっとこの過酷な指示の真意は、もっと深いところにあるに違いない」と思いをめぐらすことで、自らの前座修業の正当性を理解しようとします。その結果、より前座としてのアイデンティティを確立することになります。

 こうして受信者側である弟子が、思考の深度を掘り下げることによって、発信者である師匠から起こることすべてを甘受するという一方的対応こそが前座修業なのです。

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立川 談慶

たてかわ だんけい

昭和40(1965)年長野県上田市(旧丸子町)出身。1988年慶応義塾大学経済学部を卒業後、㈱ワコールに入社。セールスマンとしての傍ら、福岡吉本一期生として活動。平成3(1991)年4月立川談志門下へ入門。前座名立川ワコール。平成12(2000)年12月、二つ目昇進、談志より「談慶」と命名。平成17(2005)年4月、真打ち昇進。平成22(2009)年から二年間、佐久市総合文化施設コスモホール館長に就任。平成25(2013)年、「大事なことはすべて立川談志(ししょう)に教わった」(KKベストセラーズ)出版、以来、「落語力」「いつも同じお題なのになぜ落語家の話は面白いのか」「めんどうくさい人の接し方、かわし方」「落語家直伝うまい!授業のつくり方」「なぜ与太郎は頭のいい人よりうまくいくのか」「人生を味わう古典落語の名文句」など「落語とビジネス」にちなんだ書籍の執筆。NHK総合「民謡魂」BS日テレ「鉄道唱歌の旅」テレ朝系「Qさま!」CX系「アウトデラックス」「テレビ寺子屋」などテレビ出演も多数。現在、東京新聞月一エッセイ「笑う門には福来る」絶賛好評連載中


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